服を作る時にはどうしても余白の部分の生地が余ってしまいます。
それらは残布と呼ばれるものなのですが、時間を掛けて年配の方々が染めて、
織って下さった生地をそういった風に扱うことには抵抗があり、TOMOの場合には、
極力生地を消化出来るよう勤めています。服、バッグ、帽子などは今まで作って
いたのですが、今回それにコースターが加わりました。これは本当に小さな布で
作れるので最後まで生地を消化する役割をしています。そのため、すごい手間
なのですが一枚一枚はさみで裁断しました。かなり大変な作業なのですが、
それによってきちんと生地を最後まで役立てる手伝いが出来ると思うと、大変さは
そんなに苦ではなくなります。
余談ですが、消費者の目に見えない部分での生産者の生産物の扱い方というのは
実は出来上がった商品よりも大切な何かが含まれているのではないかと思います。
僕が服を作っているのは生活のためというのは否定しませんが、それ以上に何か
手から手を通してそういった「正直なこころと手」の居場所を守り続ける使命が僕には
ある様な気がします。何だか変な話になってしまいました。
日本の夏は年々暑くなる一方で、その時期に着る素材としては、TOMOの
服で使っている生地では限られていましたが、どうにか新しく使える生地が
ないかと探して選んだのが写真の生地です。元々は生成り色なのですが
この写真のシャツは黒檀とインド藍とタデ藍を混ぜた藍染めのものです。
この生地自体はガーゼの様に柔らかいのですが、黒檀の場合ですと、
染めの回数が多く、染めに使われる素材の特性上生地は少しハリがでます。
デザインに関しては以前からドロップショルダーを気に掛けていたのですが、
今回の様に薄くて柔らかい生地ですと素直にデザイン出来ました。
サイズを気にせずに着られるデザインに仕上がったと思います。
今回は予想以上に後染めの難しさを経験し、今後どのように進めていくべきか
きちんと整理し、進めていこうと考えています。

6月の始めから2週間程度、日本に戻っていました。タイに住み始めて、
7年目が近づいていますので日本に戻るというよりも日本に行くといった
感覚です。今回の帰国は大きな展示会が岡山であったのと、もう一つは
91歳になる父方のお祖父さんを見舞う目的でした。
展示会の方はそこそこ成功したのですが、お祖父さんの方は展示会が終わった
翌日に息を引き取られて、結局見舞う願いは叶いませんでした。
その代わりといってはなんですが、お通夜、葬式といった大切な決まりごと
にちゃんと出席出来て良かったという思いもあります。
ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、お祖父さんやお祖母さんが
いなかったら、僕はここにはいなかったかもしれないし、何より頑固でしたが、
芯の強い人柄には尊敬していました。式には沢山の方々が見えて、その存在感
の大きさを感じる事が出来ました。
なかなか普段に会う事が出来ない親族にも会う事が出来て、逆にこうゆう事が
ないと会えないのも残念な気もします。
それと、言い訳になりますが展示会の前後がすごく忙しく、パソコンをオンにする
暇もなく、更新が1ヶ月以上止まってしまい、期待して見てくれようとした方には
お詫びを申し上げます。今後もがんばってちょくちょく更新しますのでよろしく
お願いします。
最後に。
親族の間でも結構見てくれているみたいで、別れの前に撮った写真などを
掲載しようと思ったのですが、良く考えて止めました。何れ、手紙で送りますので
気を長くして待っていて下さい。それでは。