タイには伝統医学において、病気やケガを治すために使われる薬草
(ハーブ)をサムンプライと呼びます。
実際にはハーブと言っても種類は幅広く、果物や野菜などもサムン
プライに入ります。その中でタイで草木染めに使われる素材をいくつか
紹介したいと思います。
まず、ウコンの根茎です。胃腸を整えたり、二日酔いに効いたりしま
すが、布を染めることが出来ます。色は黄色です。
それからアンチャンの花です。タイではシャンプーに使われ、髪に
栄養を与える成分が含まれています。花自体は紫ですが、染めると
薄い青っぽいグレーという様な色になります。僕はシルクを染めた
布しか見たことがありませんが、きっと綿なんかだと染まらないの
だと思います。
その他にはマンゴスチンの皮汁です。皮の色は赤っぽい紫ですが、
染めると黄色になります。パイナップルの木の葉も染めることが
出来ます。色は緑になります。
コブミカンの果汁やタマリンドの果実などもph調整に使われたり
しますし、コショウの根も黒く染まるみたいです。実際にはまだ
まだ色々あるみたいです。
今書いた中には実際に染めを見たことのないものもありますが、
実際にタイで染められている素材らしいです。僕の知る限り、
タイの草木染めは、植物の葉や実、木の心材、樹皮などが多いと
思います。
それから植物ではないですが、赤を出す素材がないので、ラック
(カイガラムシ)を使っている所も多いみたいです。
それと、追加ですが媒染にタイの地下水や泥を使って、色を沈ませる
場合もあります。タイの土壌は鉄分を多く含むため、その効果は抜群です。
草木染めは一色ではそこまで魅力は出ませんが、色々な色の糸を
幾つか使うことで、魅力のある布に仕上がります。実際に染める
素材が絹、綿、麻では同じ素材で染めても色の濃淡が違いますし、
もっと綿密に言いますと、湿度、温度、素材の状態、時期などでも
色の濃淡は変わります。いつも染める側からは、見本と同じ色は
ビッタリには出来ないと前置きされます。
でもそれでいいんです。その時にしか出せない色で、その状況
で生み出された布に合わせて形を起こすのが、僕の仕事です。
それと、欲しい色とは違う色だとしても、価値は同じです。それを
上手に料理してあげられることが出来るかどうかが僕の力量だと
思っています。
最高の素材でしか料理しない料理人より、最高じゃない素材でちゃんと
ある程度以上に仕上げられる料理人の方が、僕は優れていると思います。
自然に逆らわず、むしろそれを生かす居場所を作ってあげたいです。