当たり前の話なのですが、平織りの生地は縦糸と横糸から成っています。
縦糸はその本数で密度が決まるのですが、横糸は織り手の筬の打ち込み加減で
密度が決まります。もちろん密度が高くなると、丈夫で厚く硬い生地に仕上がりますし、
密度が低いと、繊細で薄くやわらかい生地に仕上がります。
僕自身は、石橋を叩いて壊す位慎重な性格だったので、繊細な生地を使うのは
躊躇したのですが、やはりそのような生地は別の魅力があり、生地を見るだけで、
色々なデザインが浮かんできました。
いつも不思議に思うのは、生地からデザインが浮かぶ事です。逆に言えは、一番
正しい方法なのかもしれません。
僕が扱っている生地はすべて平織りで、素材自体も、綿、麻、絹ぐらいですが、
それでも一つ一つ生地の表情が違い、それぞれに合った自然なデザインがあります。
日本の夏は年々暑くなる一方で、その時期に着る素材としては、TOMOの
服で使っている生地では限られていましたが、どうにか新しく使える生地が
ないかと探して選んだのが写真の生地です。元々は生成り色なのですが
この写真のシャツは黒檀とインド藍とタデ藍を混ぜた藍染めのものです。
この生地自体はガーゼの様に柔らかいのですが、黒檀の場合ですと、
染めの回数が多く、染めに使われる素材の特性上生地は少しハリがでます。
デザインに関しては以前からドロップショルダーを気に掛けていたのですが、
今回の様に薄くて柔らかい生地ですと素直にデザイン出来ました。
サイズを気にせずに着られるデザインに仕上がったと思います。
今回は予想以上に後染めの難しさを経験し、今後どのように進めていくべきか
きちんと整理し、進めていこうと考えています。

tomoの服も2年目に入り、新しい企画に挑戦しています。
以前から夏用に薄手の生地で服を作ってほしいという要望はありましたが、
なかなか手織りの生地で薄地だと、涼しさを優先してしまうと透けてしまったり、
逆に織りがしっかりしてしまうと風合いがいまいちだったりといった理由で
なかなか作れなかったのですが、今回は手織りではないですが風合いの良い
ガーゼ地で挑戦しています。
縫製の方に関しては、手織りの生地より滑るので、かなり慎重に縫製しないと
仕上がりが悪くなってしまいますので、色々と相談をしながら進めています。
染色に関しては、写真の様なインド藍や、ラック、マンゴーの葉、黒檀の実、
ビルマ花梨の樹皮などを企画しています。
また、染めに関しては、この先、少しずつ写真付きで様子や材料なども
説明して行きたいと考えています。
僕らの家では、睡蓮を鉢に入れてメダカと一緒に育てているのですが、
確か去年の冬あたりだと思うのですが、妻が変わった植物を友達の家から
持ってきて、睡蓮の鉢に入れました。
何だか分からなかったのですが、当初は小さな葉っぱのみで細長い根が
付いているぐらいでしたが、気が付かない間にどんどん増殖していました。
そして今日朝の水撒きをしていたら、なんと黄色い花が咲いていたんです。
花が咲く植物とは思っていなかったので、何だかうれしかったです。
言葉にすると「なんだ、おまえも咲くんだ。」という感じでした。
人生を語れる歳ではないのを承知で、恥じずに語りますが、
楽しいときもあれば、悲しいときもあるし、
嬉しいときもあれば、切ないときもあるし、
気持ちが高揚するときもあれば、落ち込むときもあるし、
うきうきするときもあれば、やりきれないときもある。
どんな励ましの言葉よりも、その知らない花が咲いているのを見た時には、
なんだか嬉しく、塞ぎ込んだ気持ちがいつの間にかそっと前向きなって
いる事に気が付きました。
その小さな花は、僕の心を朝から居心地よくしてくれた、そんな一日でした。

以前に作ったデザインのシャツですが、それに多少の修正が加わりました。
前回のシャツは、自分で着た時に、前身頃の見返し幅が多かったので、
ちょっと前身頃がだっぷりした感じがしていたので、ボタンホールに支障がない
程度まで見返し幅を狭くしました。
丈の長さも若干ですが長めに修正し、袖口も外側に折り返してステッチを
入れて縫いとめました。
このシャツの素材は綿と麻です。そしてココナッツボタンを使用してみました。
僕も気に入って着てるのですが、一度手洗いで水洗いしただけでも、
素材が柔らかくなり、肌触りがずいぶん良くなりました。